花籃 編集:ジョー・アール
発売元 三ヶ国語表記(英語・日本語・簡体字中国語)
全752頁(含 4頁折込x 8) ISBN
アメリカおよびカナダ発売元: 日本発売元:
日本の竹工芸は、今、かつてないほど世界の関心を集めています。過去 150 年間にわたる最高の名工の作品323点を収録したこの画期的な図録は、豊富な写真と詳細な文献情報により、「ナエージ竹工芸コレクション」の優れた視覚的記録を残すとともに、発展しつつある竹工芸の研究や鑑定にも欠かせない参考資料を提供します。
日本の竹工芸の名品323点を収録したこの三ヶ国語版図録の出版を発表できることを、「ナエージ竹工芸コレクション」のオーナーとして心から嬉しくまた誇りに思っております。図録は日本における竹工芸の歴史全般を考察していますが、当コレクションは特に、日本の竹工芸の形成期である1850~1950年の優れた名工の作品に力を入れて収集しています。その時期、竹工芸は独立した分野として確立され、優れた名匠の家系が創設され、先ず大阪そして東京で重要な創作活動が営まれました。作品の9割以上には銘が入っており、本書ではこうした銘や箱書きをすべて写真と詳しい解説で紹介していて、極めて貴重な文献情報を提供しています。本書は、この素晴らしいコレクションの視覚的記録を残すばかりでなく、発展する竹工芸の研究と鑑定の分野に欠かせない貴重な参考資料と言えるでしょう。
2017年は、日本の竹工芸の国際的な鑑賞と理解において、新旧共に要の年となりました。同年3月には、現代日本で最も傑出した若き竹工芸家が田辺竹雲斎を襲名し、この名門家の4代目となりました(ナエージ竹工芸コレクションでは、4世代にわたる竹雲斎の作品を、日本国外ではどこよりも多く収蔵しています)。また5月には、日本文化を世界に紹介する目的で外務省が出資する海外拠点事業「Japan House」の第一号としてジャパン・ハウスがサンパウロに開設されましたが、そのオープニング企画として「日本を築いた素材――竹」がテーマに選ばれ、ナエージ・コレクションの名品に加え、四代田辺竹雲斎のインスタレーションを含む『竹――日本の歴史』展が開かれました。会期中、30万人以上ものブラジル人がジャパン・ハウスを訪れました。
さらに6月12日には、ニューヨーク・メトロポリタン美術館で『日本の竹工芸:アビー・コレクション』展が開催されて日本の竹工芸への認識を広め、著名な工芸研究家・諸山正則氏の言葉を借りれば「この古くから続く美しい伝統の表現力に魅了される将来の愛好家の数を拡大」するのに貢献しました。2018年2月上旬までの会期中、同展には40万人の来場者が訪れました。
そして今年後半、11月27日から翌2019年4月7日までは、ナエージ・コレクションから選ばれた約70点の作品を中心に企画された『Fendre l’air—l’art du bambou japonais(空気を切り裂く――日本の竹工芸)』展が、ケ・ブランリ美術館(パリ)で開催されます。これは日本の竹工芸展としては、過去最大の規模となります。
図録はまず日本の竹工芸の歴史と発展の概要、そして初期の唐籃とそれに倣って日本で作られた唐物写についての簡単な解説に始まり、その後の大部分は家系別に構成されています。最初に挙げられているのは竹工芸の創始者 初代早川尚古斎(1815〜1897年)とその継承者の作品、続いて山本竹龍斎、田辺竹雲斎、前田竹房斎などの大家の作品を多数掲載し、大阪に活動基盤を置く作家を紹介しています。後半の図版192番からは、栃木と東京で活動を展開する飯塚家に注目し、二代飯塚鳳斎、琅玕斎、小玕斎の数多くの作品を紹介します。最後に、日本各地で工芸としての竹細工が盛んになり、新世代の名工が台頭し、日本でもアメリカでも芸術として注目を浴びるようになった戦後の活動に焦点をあてています。図録全14章は、それぞれ作品全体の表現豊かなカラー図版に加えて、ほとんどの作品で細部の図版も掲載しています。カラー図版の後には銘と箱書きを全て撮したモノクロ図版と各作家の経歴が続きます。図録の最後は参考文献、用語解説、作家索引で結ばれています。全文は英語・日本語・中国語(簡体字)の3ヶ国語で表記されています。
ジョー・アール はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン)東洋美術部門、ボストン美術館アジア・オセアニア・アフリカ美術部門でそれぞれ主導的任務を担った後、2012年までニューヨークのジャパン・ソサエティー・ギャラリーでディレクターを務めました。現代日本の美術・工芸・デザインに関して、過去38年間にジョー・アールが企画し、管理・運営し、図録を編集した展覧会は多数ありますが、その代表的な例に『ジャパン・スタイル』(ロンドン、1980年)、『Japanese Ceramics Today』(菊池寛美記念智美術館コレクション、ロンドン、1983年)、『東芝ギャラリー 日本展示室』(ロンドン、1986年)、『ヴィジョン・オヴ・ジャパン』(ロンドン、1991年)、『Splendors of Meiji: Treasures of Imperial Japan』 (米国デラウェア州ウィルミントンおよびオレゴン州ポートランド、1999年・2002年) 、『現代日本陶芸展』(ボストンおよびニューヨーク、2005年・2006年)、『New Bamboo〜竹の新世界〜』(ニューヨーク、2008年)、『型絵染の巨匠 芹沢銈介』(ニューヨーク、2009年)、『バイバイキティ!!! 天国と地獄のはざまで-日本現代アートの今』(ニューヨーク、2011年)、『現代日本ファイバー・アート展 未来を紡ぐ、テキスタイルの冒険者たち』(ニューヨーク、2011年)、『New Forms, New Voices: Japanese Ceramics ギッター・コレクション』(ニューオーリンズ、2017年)などが挙げられます。ジョー・アールは現在ロンドンを拠点に活動しています。
バートランド・スターク はスイスで育ち、パリ大学卒業後、某投資銀行に就職し、香港へ赴任しました。その後、世界各国の国際金融都市に10年間駐在しましたが、本店への帰国命令を受け取った際、写真家になることを決意。それから3年間、ドイツ、アメリカ、フランスの名写真家に師事し、修行の後、独立してファッション界でフリーランスの写真家となりました。現在はアジアを拠点に、ファッション・美容・ライフスタイルの写真家として『ヴォーグ』、『エル』、『ハーパーズ・バザー』、『ヌメロ』など大手ファッション誌に写真を掲載する他、ロレアル、ニベア、ウエラ、オペル、シュワルツコフ、上海灘など有名ブランドの宣伝広告も手掛けています。バートランド・スタークの作品はピンナップ・スタジオ(パリ)、中国ピンヤオ写真祭でも展示され、ファッション界・美容界の数多くの本にも掲載されています。現在、バートランド・スタークはコンデナスト・センター・オブ・ファッション&デザイン(上海)でファッション写真の講師として教鞭をとっています。
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John Adamson, 90 Hertford Street, Cambridge CB4 3AQ, England.
日本の竹工芸名品集
写真:バートランド・スターク
ジョン・アダムソン
2018年
カラー図版500点
モノクロ図版900点
11 3/4 × 9
in. (300 × 225 mm)
978-988-13754-5-2
布張り上製本
£135.00
US$160.00
John Adamson:
90 Hertford Street, Cambridge CB4 3AQ, UK
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